2015年09月02日

或る人生

その人はいつもいつも周りに迷惑掛けまいと懸命に生きてきた。
夫を早くに亡くし、障害のある長男と長女を女手ひとつで育ててきた。
町内の役、婦人部でも活躍、
腰が低く懸命に生きている女性であったことだろう。

私の友人でもあるその長女は、
「母が人の悪口を言っているのを聞いたことがなくて、私はそれが当たり前だと思ってきた。
 だけど世間はそうじゃないと知って驚いたのよ」と言う。

それって実はすごい事だと思う。

人一倍「誰にも迷惑かけたくない」と生きてきた人が、晩年アルツハイマーにかかる。

昨年頃より急速に悪化。
アルツハイマーを発症した方はだいたい数年で急速に悪化する印象がある。
人にもよるが診断されて5,6年でガタッと人が変わる。
昨年は支援2だったのに今年は要介護4といったぐあいに。

ものすごく手がかかるようになった。
歩くことも食べることも解らないわけだからさもありなん。
現在センサーマット対応。
動けないのに動こうとする、いわゆる『認知で動ける人が一番大変』ってやつね。

友人でもある長女さんは同業他社なので正直に話す。
「娘であるあなたを認識できる時間はそう残されていないだろう。
 可能であるならば、お母さんがあなたを娘だと解るうちにたくさん関わって親子の時間を過ごしてほしい」
と。
 
特養の入居待ち中でもある。
おそらくこの方の認知症状は、もっとも虐待を受けやすいパターンだと思う。
それが分かるのでここにこのまま居てほしいが如何せん金銭的な事情がある。
そこまで介入できないからな。
各家庭の事情がある。

よく食事介助に来てくださる娘さんで、
その後ホールで一緒にコーヒーを飲みながら話をする。(私は昼休憩)
ポツッとつぶやくように彼女は言った。

「母は誰よりも周りに迷惑かけないように生きてきた。
 だから最後の最後にこんなに周りに迷惑かけるのかな、それってすごく悲しい」と。

最後の最後に、
そうなってしまう病が認知症。

いかに穏やかに過ごしてもらうか、
ここはうちの施設の腕の見せ所だろう。
それが出来るスタッフが揃ってきた事に感謝である。

残された僅かな親子の時間を、
穏やかに、幸せに。
どうか、どうか、と願ってやまない。

posted by 福良雀 at 20:29| 長野 ☀| Comment(0) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月14日

人の終わり

私達職員がみんなとても仲良しで、
うちの施設のご意見番みたいな爺様を看取るべく奮闘している今。

正念場である。

今週かな。
もうお別れが近いな。
血圧下がってきた、体温も低下してきてる。
脈は120を超える頻脈であり、声掛けの反応も薄くなってきた。
目の焦点も合っていない。

ここ数日、
「ここに居てくれ!福良雀さん!福良雀さん!頼むっ!」
とうまくしゃべれない掠れた声で乞われる毎日で、それでも他の業務に入らないと現場は回らず後ろ髪引かれる思いで部屋を後にしていた。
コールしてきては、
「福良雀さんは?もう来てくれないのか?」
と泣く。

ただ、側にいてほしいと泣く。

何ができるのか?
職員全員に問うた。

あなた達は何をしますか?
身体介助は当然ですよ?
そこからあなた達は何をしますか?
5分も時間はありませんか?
人生の終末にココを選んだ彼にどう応えますか?

残された時間はわずかですが、あなた達は悔いのないケアができてますか?

合間を見ては訪室し、
「ここに居るよ」「苦しいね」
髪をなで、手を握り、話しかける。

居るよ。
私は居る。

おやすみ。
posted by 福良雀 at 19:54| 長野 ☀| Comment(4) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月21日

未来

余命宣告された入居者さんがいて、年を越すのは難しいと言われている。

彼への余命宣告には私が立ち会っている。
本人の希望だったのだ。
ご家族ではなく私に一緒にきてほしいと。

横に居るのはしんどかったなぁ。
仲の良い人が人生の終わりを宣告されるんだよ、見たくない。

「先生、おらぁ後どれぐらいですか?」
「…年を越すのは難しいかもしれません」

その後の質問は無かった。

彼にとっての最善を模索し寄りそう約束をしているので、
私は自分の役割をこなす。
どう人生の終わりを迎えたいのか散々話しあってきた。
彼の気持ちは十分分かっているので、
「任せて、なにも心配しなくていい」と伝える。

ふと、考える。
自分はこの仕事が向いている。
寄り添いその人に適した最善策を考え交渉する。
自分が進む道はケアマネでは無く相談員だろうと。

来年、ケアマネの試験を受けて施設を辞めるつもりでいる。
ケアマネは自分にとってあくまでも保険である。

今日、この給料では生活できないので来年辞めますと上に伝えた。
まぁ、以前からやっていけないので辞める事は言っていたけれど。
すると、
「給料があがるなら生活相談員をやるか?」と言われた。
「給料次第です」と返事した。
ここの相談員の給料は私より低かったはずだがな。

給料が今よりあがるなら、ここで相談員をやる手もある。
その先に社会福祉士をとって自分なりの『アガリ』。

未来など誰にもわからない。
だけれど、
自分に向いている仕事内容はおそらくケアマネではなく相談員であろう。
標準が定まった感がある。

『寄り添い共に考える』

亡き兄にヒントをもらい、
義母に考えさせられ、
そして今がある。

全ての事象が、そこへ向かえと言っている。

今年も残りわずかだね。
とても寒い冬だよ。

みんな頑張ってるね。
私も頑張るよ。

おや?最後は草野心平の『蛙のうた』のようだのぉ、ふふ。
posted by 福良雀 at 19:07| 長野 ☁| Comment(6) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月01日

君が大人になって

神奈川のアパートで男児の白骨遺体が見つかったと。
父親に放置されてた五歳の男の子だってさ。

私にはわかる。
待っていたと思うよ、ずっと。
物音がする度にお父さんが帰ってきてくれたと思ったはず。
幾度となく繰り返されるかすかな希望と絶望。
そんな屑な親でも、子供からしたら大好きなお父さんとお母さんなんだよ。
たらいまわしにされ、夜の闇、外の音を聴き逃すまいとしていた私には痛いほど分かる。

子供を作るなよ。
避妊しろ屑どもめ。

ごく普通の家庭で育った人には信じられないと思うが、
子供への虐待というのは世間に出るものは氷山の一角であり、
実はごく身近で(ひょっとしてあなたの隣の家でも)行われている。
平気でね、幼稚園児でも拳で殴るんだよ。謝っても繰り返し殴られるの。

この世で一番好きな人(親)から受ける暴力は、
子供の人格形成を大いに左右する。

子供はね、逃げ場が無いんだよ。

救えたはずの命だ。
児相ばかりに任せているから繰り返されるんだよ。
いいかげん考えようよ給料ドロボウ達。

どうか希望を。
希望を見せておくれよ。
絶望から運良く大人になれた児童虐待の犠牲者達に。



(震災直後のスキマスイッチ『奏』)
posted by 福良雀 at 22:45| 長野 | Comment(0) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月13日

花と酒

モヒートの美味い季節になってきたな。

DSCF5315.JPG

昨日は兄の命日であった。
もう十年になるのか、早いもんだの。
生きてりゃ一緒に酒飲んだのにな。つまんないねぇ。
いっつも一緒に飲んでて仲良し兄妹だったのに・・、あぁつまんない。
死に急ぐこともないのにさ。置いていくなよバカめ。

悲しい悲しいで十年。
満開の桜を見る度に胸が締め付けられる。
冷たくなった兄にすがりついて泣き叫んだあの時がフラッシュバックするんだよ。

警察が集まってたな。
検死に来たのが同級生のお父さんだったな。
用水沿いの桜が満開で、
なのになんでこんな事になっているのかなと。

十年経とうが悲しいわ。


posted by 福良雀 at 18:26| 長野 | Comment(5) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月19日

題など無いわ

子供の頃に住んでいた所が夢に出てくる。
何度かこのプログにも書いているね。

住んでいた社宅の団地。
兄は、外泊で戻るといつも発作が出て怒鳴られてたな。
母はいつも殴られてたな。かばった私もボコボコだったな。

いい思い出などひとつも無い。
なのにいつも夢に出てくる場所。

私は地元を離れる前、
兄の遺骨を助手席に乗せ、
その辺りをゆっくり回ったのだ。

辛い事ばかりだった。
早く大人になりたかったな。
私、あの時父親殺してても今も別に後悔してない気がするよ。
ただ包丁が刺さらなかっただけだもの。
それだけ。

殺されそうなのに何で抵抗しちゃいけないのか分からんわい。

あぁ、そういえばそんな事を小学校の担任に話した事あるわ。
『親にそんな事いうもんじゃない』的な説教くらったよ。笑っちゃうな。
そりゃあんたには分からんわと思ったよ。
毎日殴られてりゃ一切の感情を無くすか殺してやると思うかどっちかでしょうよ。


精神が誠に不安定だ。
しんどいなぁ。
色んな事がとても面倒。
心も体も全くコントロール不能だ。

おらの自律神経がんばれ。

くっそ腹立つ。

DSCF4495.JPG
「ぐだぐだ言ってないで巣に来たまへっ!ぽっぽこぴー」って銀が。






posted by 福良雀 at 21:18| Comment(0) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月05日

職場の友達に、

「ねぇ、一昨日死のうとしなかった?」

と言われた。
聴くと、

「寝る前急に心臓がバクバクし始めて、
 汗がドバッと出てきて怖くて。
 なんだか分かんないけど、
 どうしよう、どうしよう、って思ったんだよ。
 福良雀が死のうとしてるんじゃないかって頭をよぎって・・・、
 気持ちがシンクロしてんじゃないかと思って・・・」

えぇーっと、

病院行きましょう。
私よりあなたの方がよっぽどヤバイぞ。
これ友達も更年期だわ。

うぅむ。
メンタル病む人多いなぁ。
自分の周りだけかと思ったら全然そんなことなくて、
ふつーにみんな精神病んでいる。
病みっぷりが半端ないわ。

息苦しい世の中だわね。

電車に飛び込む。
衝動的な、周りからすれば迷惑以外の何物でも無い行動なんだけど、
それを行う当人は、
誰よりも『周りに迷惑を掛けたくない』と思って必死に生きてきた人なんだよ。

衝動に駆られてでなく、
淡々と自分の人生にピリオドをつける人。
全て片付けてサヨナラする人。
こういった人は止められない。

あぁそうか、決めたんだね。もう会えないんだね。
そうか、お別れなんだね。

そう思って見送るしかない。救えない。

私の兄を救えなかったように。


どうか、
闇の中から光を見つけておくれ。
かすかな光に目を向け、
そこに少しづつ向かっておくれ。
横に私が寄りそい手をつないであげるとしても、
歩くのは自分の脚で。
自分で目を凝らし、光を見つめるのだよ。
そしたらね、
いつの間にか、その光の場所にいるからね。
なんとかなるよ。

なんとかなる。


まぁ、可愛い文鳥でも眺めて酒飲んどくれ。


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「ここかな?ぼくのかわいいゴマ桜ちゃんが隠れてるのは?
 さぁっ!恥ずかしがらず出ておいでっ!ぽっぽこぴーぽこちゃぽこちゃ」

いつも幸せそうに一人で遊んでて、ちょー楽しそうなラテン系イケ文銀と、
すぐにどこででも寝始める年寄りねねちゃん。(笑)

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「ちょっと!まだブンブン飛べるんだから年寄り扱いしないでよね!カカッ」
可愛いねねちゃんは相変わらずみんなに喧嘩売りに行って楽しそう。お達者じゃのう。

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「その玉子の殻はぼくのなんだ!」
「返してよっ!それぼくの殻なんだからっ!」

と言ってる天坊。お花ちゃんの食べてるのばかり取ろうとする。
足元に沢山ある殻はガン無視。やっぱりちょっとおバカちゃんで可愛い。

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「お母様、花は高級赤玉子の殻じゃないとイヤってあれほど・・」

と、ちょー絶望した顔して母ちゃんを見つめるお花ちゃん。
毎日貧乏を責められて母ちゃん辛いな。←(嬉しそうに)


愛しい私の光。


今日はお花ちゃんと天坊6歳の誕生日。
フレディ様と一緒にお祝しましょう。



天坊とおそろいの半ズボンっっ!!(喜)


ぎゃぁぁぁーー!!フレディーさまぁぁーーっっ!!



このペプシのCMなんて鳥肌立つよね!世界の歌姫達がっ!
お父さんそんな恰好許しませんよっ! ←(お父さん憑依)


ごろごろごろ〜 ←(身悶えしながら床を転げまわっている音)










posted by 福良雀 at 10:07| Comment(6) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月02日

終り

この人の八十云年はどんな人生だったか。

前半は苦しくとも希望があったかな?
後半はやりがいのある仕事に打ち込み、
生き生きと日々を謳歌していただろう。

終りはどうだったかな。
重度のアルツハイマーでも、奥さんが倒れた事を理解していたね。
「会いたい」が叶わなかったね。
会わせてあげる事はできたはずなのにな。悲しいね。
ごめんね、これ以上介入する事は出来なかったんだよ。

横暴で暴言だらけで自己中で怒鳴ってばかり。
だけど何故みんなから嫌われるのか理解ができず余計にみんなに怒鳴り散らし・・・。
寝たきりになれば昼夜逆転し、夜間は5分おきにコールを鳴らし職員を困らせてたね。
家族の許可を得てコールを外しても、
ベットから「おーい!おーい!」と呼び続けてたね。
「シャツが濡れた!着替え!」「暑い!」「寒い!」「布団かけろ!」「お茶!」
「酒持ってこい!」「おい!なんで飯がないんだ!」「今何時だ!」「おしっこ!」etc・・・。
朝までずっと続くソレに、職員の精神が疲弊していたよ。
他の寝たきりや経管の入居者さんの介護に入ってたら、
ベットから這ってホールまで出てき、
「おい!何回呼べば来るんだバカ野郎!金払ってるんだぞ!」って怒鳴ってたね。
夜中の三時。ごめんね、いいかげん怒りで拳が震えたよ。


今年に入ってからずっと、こんな毎日だった。


職員達から「夜勤明けて家に帰っても呼ばれる声がする」と、幻聴の訴えがすごかった。
一人夜勤なので逃げられず、全部一人で夜通し相手しなければならなかった職員達のストレスは半端なかったな。
精神薬飲み始めた職員が出始め、
数日前にはパニックに陥った職員から夜中に電話が来るような始末。
悲鳴あげ続けてたもんね。地獄だわ。

こんな状態でも、
痛みで苦しむMさんの手を握り、
「ここにいるよ、大丈夫だよ」と話しかけ、
脚が!脚が!と叫ぶMさんの脚をさすりながら、
「痛いね、痛いね」と話しかける職員達。

細めな体交、口腔ケア、清拭で褥創も治り、
点滴にきていたMさんの主治医がびっくりしていたっけ。
そしてすごく誉めていた。

うちの職員達の介護力といったら半端ない。
ここの集団はすごい。
全員が素晴らしい仕事をしたな。

本当によくやり遂げた。よく堪えた。
みんなが同じ方向を向き、それぞれが最大限の努力をしたのを知っている。

私は、
「あなた達の介護力は半端ない。素晴らしい仕事ぶりでした」
と、ひとりひとりに賛辞を。


自慢の職員である。
天使なのかしら?


     *
おまけ

亡くなった日、私は予感があったので明け方に出勤した。
丁度主治医が来て死亡宣告した後だったので、
エンゼルケアを施す手伝いができた。
一段落し、他の入居者さんを起こし始めなきゃならない時間。
その時、

「おーい!おーい!」

思わず固まり夜勤明け職員の顔を見ると彼女も固まっている。
顔を見合わせお互い、
「今・・・、聴こえましたよね?」
「うん、いつもの声だわ」

ぎゃああああぁーーーーっっ!




お終い。


DSCF1839.JPG
「母ちゃんも一緒にツボ巣で寝るといいうりゃ」










posted by 福良雀 at 09:08| Comment(2) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月03日

存在の意味

闇から光へ、
職場で夜明けを迎えていた今日、私はベテラン看護師Iさんと話しをしていた。

ターミナルのMさんの点滴対応の為、朝4時頃には来ているIさん。
入居者Mさんは、この春私が夜勤時に看取りをした方のご主人。

Mさんは以前の部署でお世話してきた方なのだが、
入院して4月の退院時に私の現部署に入居された。
なのでずっと私と一緒。
縁があるんだろうね。

看護師のIさん、明け方私にこんな事話してきた。

「Mさんはあの状態で生きる事で、
 医者である息子に『死ぬ事』を考えさせている。
 Mさんは最後まで息子に教えてるんだよ。
 それだけでも今のMさんには存在意義がある」

と。
そして、

「福良雀さんはMさんも看取りそうだね。
 奥さんも看取ってるし。
 もうじきAさん(奥さん)の新盆だねぇ・・・」


そうなんだよね、看取りそうな気がするんだよ。
意識レベルの低下、全身のチアノーゼと浮腫、SPO2測定不能、血圧も測定不能が度々。
排尿も無くなってきている。

夜中に話しかけながら吸引してたらじっと私を見ていたのよね。
もう追視する事もなく焦点も合わなかった瞳が、
焦点を合わせて私を見ていた。
眼球も乾いてきているのに私を認識している。

思わず今の内にと色々話しをする。

「もうすぐ夏祭りやるよ、去年はMさん花火やったね」
「そういえばAさん(奥さん)も車椅子で下に降りたっけ〜、一緒に見れたねー」
「Mさんさぁ、あの時すごい勢いで焼きそばかきこんでたから息子さんに怒られてたじゃ〜ん」

あははは〜って笑いながら・・・、
泣けてきた。

じっと私を見ている。
色んな思い出が溢れる。

奥さんのAさんに
「Mさんは優しい旦那さんだねぇー」と言うと、
「うん、優しいよー」と言っていた。
Mさんは意識の無くなった奥さんの顔にいつもクリームを塗ってあげてた。

ここに入社して一年。
私、ずっと一緒にいたのよ。
思い出が沢山あるの。

だから今のMさんの状態が切なくてならない。
この、生かさず殺さずの点滴の量が切ない。

けれど、
今朝の看護師Iさんの言葉に少し救われる。

人の存在意義。

また一つ、経験として頭に叩き込みましたです。

つまりMさんは、
私にも教えてくれているのですな。







posted by 福良雀 at 19:34| Comment(2) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月07日

永遠

一人看取ってきた。

私の理想の夫婦の奥様。仲良し夫婦なの。
おそらく私の夜勤時に看取る事になるだろうと、
昨年から言っていたがその通りになったなぁ。
なんとなくずっとそんな気がしてたんだよ。

部署異動になっても前部署の夜勤がまわらないので私がヘルプで入っているのだが、
久々入った夜勤で看取った。

ホントにね、すぅっと眠りについた。
苦しまず逝った。
呼吸が変わった時点で(チェーンストークス)ご家族に連絡したので間に合った。

ずっと話しかけていた。
「○○さん、今朝雪舞ってたよ」「○○さん、梅が満開だよ」。
先の話しはしない。
お花見に行こうだとかもう言えない。
未来の約束はしない。

皆で懸命にお世話してきた方が、
永遠の眠りにつくその瞬間を見届ける。
すぅっと、あちらの世界へ引き込まれるように逝った。

お疲れ様でしたと髪をとく。
もういいんだよと目蓋を閉じる。

彼女の人生の終わり。
けれども、愛は永遠。
posted by 福良雀 at 09:38| Comment(8) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月01日

泣クナヨヤ

やっぱこの時期だめだなぁ。
不意打ちだ。



『童神』

号泣。


兄を私が産んであげてたら死なせなかったのに。
大事に愛して育てたのに。
そうしたら自分で死のうなんて思わなかったはずだもの。

こんな事まで考える。

今さらだけど。


もうすぐ命日だ。
posted by 福良雀 at 21:10| Comment(0) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月11日

言霊

日本には八百万の神がいるという。

ならば聴いてくれ。

悪夢の中を、今なお彷徨う人達の願いを聴いてくれ。
これ以上の悲しみが無いようにしておくれ。



東北に希望の光あれ!


黙祷


posted by 福良雀 at 17:49| Comment(0) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月08日

命ありけり

ちょっと書くのやめてた話し。

実は、年末年始、ドドーっと利用者さん達が入院してしまってドタバタ。
認知で奥さんにいつもクリーム塗ってあげてた優しいMさんも、
ターミナルであった奥さんも入院。

息子さんが医者なので、色々薬を処方してくれるのだが良くならず、
肺炎までこじらせてしまっている。
点滴なんて続けてやんなきゃ意味ないじゃん。
早く入院させてくれと皆で言ってたのにー。

「しっかり食べて寝て早くよくなってね。また皆で遊ぼうね」と言うと、
必死にご飯食べてたのが切ない。
私が病院に送って行ったのだけど、
別れ際、「早く帰るからね」と言っていた。苦しいだろうに・・・泣ける。

入院してしまった中に
以前いつも短いマフラーを編んでくれたTさんもいた。
年末の私が夜勤明けの昼間、
急変して病院に運ばれていた。
ガンが全身に転移してて、長く無いとは言われてたの。
急変し年が明け、あっという間に天に召されてしまった。

先日、Tさんのコップを見てて、
急激に寂しさを感じ胸がつまる。
優しい人で、職員が一緒に食事しないといつも、
「ご飯あるの?これ半分こにしようね」と言ってくれた人。
部屋には、編みかけのよく分かんないものや、毛糸玉がゴロゴロしている。
それらを片付けていた職員達も目が真っ赤。

御家族から電話があって、
「苦しまずに逝った。本当によくしてもらってありがとう。
 母はそこに泊まりに行くのをいつも楽しみにしてました」と。

泣ける。

迎えに行くと、いつも庭の花を切って持ってきてくれた。
送りに行くと、車が見えなくなるまで手を振っていてくれた。

切ないけれど、
Tさんは幸せだったと思う。

この仕事をしている限り、別れは避けられない。
だけれども綺麗事を言うようだが悔いの無い仕事をしてあげたい。
悔いのない仕事ができる今の環境は、
とても恵まれている。
『最後までここにいたい』と言う人に、
出来得る限りの事をしてあげられる環境。
ほんっと恵まれた職場だよ。

新年早々みんながっくりきちゃってるけれど、
頭を切り替えなきゃね。
次の人達が、私達を待ってるもの。

こんな仕事始め。
ホールにはTさんが持ってきてくれた山茶花と南天。

posted by 福良雀 at 12:22| Comment(6) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月03日

幸せとは

胃ろうでバルーン、寝たきりの妻の横で、
安らかな顔で眠る認知症の夫。

断じて不幸ではない。

夜中に巡視で訪問すると、
夫であるMさんは妻のベット横でクリームの瓶を抱えてたたずんでいる。
寝たきりの妻の顔に、クリームを塗ってあげているのだ。
だけど認知だから限度を知らないので、
全身塗っちゃって奥さんテッカテカ。

またある日は夜中に洗濯機回してる。
自分が尿失禁してしまったシーツを洗っているのだ。
歩行器なのにね。
きちんと洗剤も入れている。
すごい!

巡視の際に洗濯機が回っていると一応聴いてみたりする。
「Mさん、洗剤入れたの?」夜中の2時だけど。(笑)
発語も不自由ながら入れたと言う。
「奥さんにクリーム塗ってあげたの?」と聴くと、
得意そうにクリームの瓶を差し出す。
例えそれが、全裸、シーツ無しのベットで座っていても、
なんだか幸せそうに見える不思議。


私のね、理想の夫婦なの。


奥さんのAさん。辛うじて意思の疎通ができる。
リクラの車椅子に移乗して窓辺にお連れし、山の景色を見てもらったりする。
「Aさん、山見える?」と聴くと、「うん、見える」と言う。
だけど瞳は硝子のよう。

もうターミナルケアに入っている奥さん。
なんとなく私が看取る事になりそうな気がするな。

優しい職員ばかりだから、
安心してほしい。

寝たきりだ、認知だと聞けば不幸と思うかもしれないが、
私にはこの夫婦が不幸とは思えない。
ここで死を迎える希望であるならば、
私は全力で応えるまでだ。

死が二人を別つまで。
そしてまた二人が、あの世で出会い愛し合うまで。




posted by 福良雀 at 20:37| Comment(4) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月03日

泣きたいんだろうか

いっけな〜い。
昨日から『佐渡おけさ』→『民謡』→『津軽三味線』→『高橋竹山』→『ごぜ唄』→
『葛の葉子別れ』→その頃の心境→兄の死→『森山直太郎のさくら』と進んでしまいどっぷり落ちてる。

泣きたいのだろうか?

久しぶりに高橋竹山の三味や、葛の葉や、森山直太郎の『さくら』なんぞを聴いてしまった。
もうね、あの頃の心境にあっちゅう間に戻っちゃうのよ。

わざわざ泣きたいのか?

このプログって初期の頃の記事はほとんど削除しちゃってるけど、
確か2005年から始めてるのよね。
やっぱりその頃とあんまり変わってないのかなぁ。
ここが『吐き出す』場である事は変わってない。
悲しい事も楽しい事も吐き出して私ちょっとすっきりみたいな。ふふっ

別にね、森山直太郎のファンなわけじゃないのよ。
兄が自殺する直前友達2人に送った携帯メールの内容が、
『さくら』の一部であっただけ。

泣くな友よ今 惜別の時
さらば友よ 旅立ちの刻

こんなん送ってこられたらたまったもんじゃないわなぁ。
兄も酷な事するわい。桜が満開の時だった。

以前よく見ていたこの『さくら』。↓


宮城の女子高の卒業式で飛び入り参加して歌ってる直太郎。
この高校って合唱部は全国レベルなのよね。
当時『さくら』を合唱してたらしく、
流石、コーラスが素晴らしいね。
森山直太郎を泣かす、いい卒業式だ。

みんな無事だろうか。
どうか無事で、元気でいておくれ。
あなた達はまだ若く、これから楽しい事がたくさんあるよ。
きっとある。
生きて、生ききっておくれよね。






posted by 福良雀 at 20:09| Comment(9) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月02日

愛したあなたへ

人はあなたを『カリスマ性のある人』と言う。

そうだね、私もあなたみたいな人見たこと無い。
きっとこの先も無いだろうな。
その才能、人を強烈に引き寄せる力。

多くの人を救い、多くの人に感動を与え、
少ない人を泣かせ、思うまま生きた人。
生きたいように生きるあなたと、生きたいように生きる私が、
16年も共に過ごしたのは奇跡。

愛し、愛された16年。

別れはしたけれど、
あなたはあなたで今までどおり好きに生きていてほしかった。

いつも言ってたね。
「花なんかいらない」って。
その通りにしてくれて良かったね。
だけど早すぎるよ。

型にはまった『ご冥福をお祈りし 云々』なんて、
あなたには合わない。
みんながあなたに最後にかける言葉はおそらく「ありがとうございました」。

そして私もあなたにありがとう。

あなたのおかげで今の私がある。
あなたと出会い愛し愛され共に生きた時間は私の宝物。
ありがとう。
ありがとう。

ほんとうにさようならあなた。






posted by 福良雀 at 22:01| Comment(0) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月17日

立ちすくむ

愛する人を亡くした時の絶望。

私はこの先生きて行けるのだろうか?
もっと何かできたのではないか?
あの時もっと・・・という心が千切れそうな想い。

愛する人の死に直面した現実。

警察官に囲まれてたり、
検死に来た医者と話ししたり。
変わり果てた姿の愛する人をなでたり、
苦痛に見開いた眼を一生懸命閉じようとしたり。

生き残った者は、
前にも、ましてや後ろにもいけず、
ただ、ただ、
そこに立ちすくむのだ。

悲しみに押しつぶされそうな毎日を、
ただ生きる。

少なくとも私はそう。

ネット友達の掲示板に書き込みされた○○○子さん。
あなたの他にも、
あなたが書きこんだその場所にも、
色んな悲しみを知っている人が沢山いる。
あなたの想像を絶する悲しみかもしれないよ。
大切な人を亡くしたからこそ分かる悲しみや、
自身が病んで苦しんでいたからこそ分かる悲しみがある。
悲しい想いに寄りそいたい、何かしてあげたい、
そう思っている人は本当に沢山いる。

『偽善』ですか?



立ち止まってうずくまったまま時が経ち、
ふと周りを見渡すと、
季節は何度も巡り、また桜は咲き、
何か違った気持ちで花を見る時がくる。

必ず来る。

どうかその時まで、
生きて、生きて。


(ネット友達掲示板がらみの検索でここに来られる方が本日急増。
 直接そこの掲示板に書こうと思ったけれど、
 自分の発言で荒れるのは本意ではない。
 スレ主の○○○子さんに伝わるといいなぁ。)




posted by 福良雀 at 23:11| Comment(2) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月15日

人が人を救う

今こそひとつになって、
この悲劇に立ち向かおう。

ひとりひとりの思いがひとつになって、
それは莫大な愛の力となり、
すべての大切なものをなくした方達に届くのだ。

無事だった私達にできる事。
それは義援金をおくることだろう。
それも、一時のものでなく継続しできる範囲でこつこつと。
私達は忘れてないよと思いをこめて。

大切な思いのこもったお金の送り先はよく考えて送ろう。
実績のあるところや、自治体の窓口等。
私の募金先は今のところ『中央共同募金会』『日本赤十字社』『ジャパンプラットフォーム』かな。
他もまだ調べている。
大切なお金を、最大限に有効活用してくれるところを選ぼうね。
その団体がどんな分野に強いのか、よく調べよう。
とにかく腐った輩どもの募金詐欺が急増している。
ネット上も街頭でも、本当に気をつけて。
情報を鵜呑みにせずいったん調べてから送っても遅くないよ。
きちんと思いを届けてもらおうね。

それから、私達は無事だったからこそ日常をとりもどそう。
しっかり働いて稼いで、そして消費する。
私達ひとりひとりが東北の分も経済を支えるのだ。
ご飯を食べて眠るのだ。
私達が元気じゃないと、東北の被災した人達を助けられないよ。

非日常から日常を取り戻そう。
大切なものがあることに感謝しよう。

日本は今までだって何度も立ち上がっている。
それもより強くなってだ。
絶対に負けない!
絶対にへこたれない!
見ててくれ世界!日本の底力!

一緒に頑張ろう東北!


posted by 福良雀 at 08:40| Comment(8) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月20日

ブログの意味

書いては消している記事がいくつかある。
すっごく暗く陰惨な過去の事ばっか。
この歳になっても、許すことはあっても忘れないんだよね。

そもそも、このブログを始めたきっかけそのものが、
最愛の兄を自殺で亡くした事からだったもんなぁ。

今でも時折泣いてるんだよ。
置いてある兄の遺書に、無邪気に噛みついて巣材にしようとするたまおちゃんを見ては泣ける。
賑やかな飲み屋街を歩いていると無性に泣ける。

諦めがつかないんだろうなぁ。
たいがい私もしつこいわ。

父の事はもうとっくに許している。
彼は兄の死で充分報いを受けている。
実母は生死も不明だが、私は彼女を許してはいない。

会社から帰ってきた時の機嫌で殴る父。
入院ばかりの兄や殴られて寝こんでいる私をほったらかして男にうつつを抜かす実母。
殴られながらも「ぼくが大きくなったらお父ちゃんを殺してやる!」と叫んだ兄。
母が首を絞められているのを見て刃物を持って向かっていった私。

12歳くらいまでは地獄だったなぁ。
だけど私、生きてるのよね。
何度も吹っ飛ばされて頭打ってるけど、
気を失ったくらいで後遺症もないしさ。

だけど、兄はせっかく生き延びたのに死んでるの。
親に対しての恨みの言葉を遺書にしたため、
自分で命を断ってるんだ。

今さらどう言ったところで兄が戻ってくるわけじゃないけど、
こうして時折ブログに吐き出してはグスグスする。
最近は『別にいいんじゃないの?自分のブログだし。聖人君子じゃないんだからさ、前向きばっかじゃいられないって』

毎日さ、
明日学校行けれるのかな?
それより自分生きてるのかな?
お腹空いたな・・。
今日こそ親を殺してやろうと思っていた私が、
こうやって文達を愛して生きてるなんて信じられないわ。

好きなように生きてやるよ。

DSCF2580
DSCF2580 posted by (C)福良雀

「お母ちゃん、ぼくのティッシュを一枚あげますうりゃ」
↑(頭にフンをつけて巣作りにいそしむたまおちゃん)



posted by 福良雀 at 20:04| Comment(24) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月19日

写真が語る

履歴書用の写真撮って眺めてたら、
兄の最後の写真を思い出して喉が熱くなった。

兄は自殺する前に履歴書写真を撮っていた。
その時は、
まだ生きたいと思えたのかな。
まだ頑張れると思えたのだろうか。

でもね、その写真って明らかに死に向かっている人の顔だったんだよ。

真っ暗な洞穴のような目。
なんの感情も色も見えないそれは『無』だった。

無だよ無。な〜んも無いの。

生きながら死んでいるその時を、
鮮明に映す写真は残酷だと思う。

私のほんとの意味での家族は兄だけだったから、
今まで何度『兄がいてくれたら』と思ったかわからない。

自他共に認めるブラコンの私は、
それでも口角をあげ写真をとる。
次に一歩踏み出す為に。
兄に「がんばってるな〜○美」とあの世から言われたいが為に。

ただそれだけだ。

posted by 福良雀 at 18:28| Comment(0) | せつない徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする